古来から日本人に愛され、文学や芸術でも親しまれてきた藤。
藤棚などを利用する地植えはもちろん、盆栽としてコンパクトに楽しむ人も多く、最近では観賞用として海外でも人気があるようです。
魅力的な藤について、花言葉や特徴、種類などについてまとめました。
藤の花言葉
藤の花言葉は「優しさ」「歓迎」「恋に酔う」などがあります。
藤の花言葉は怖い?
藤の花言葉には、少し怖い意味のものもあります。
藤はツル性の植物なので、周りのものに絡みついて繁茂していく特性に着目されたようです。以下に、その花言葉を紹介します。
決して離れない
藤の花言葉には、「決して離れない」というものがあります。
日本舞踊にも、藤の花の精が美女となって恋した男性への思いを踊りで表現する「藤娘」という演目がありますが、舞台では大きな松の木に絡んだ藤の花が咲き誇るという演出になっています。
このように、日本では昔から藤の花を女性にたとえ、松の木を男性にたとえる風潮があったようです。
藤が松の木にしっかりと巻きつき、絡みつく様子が「決して離れない」という姿を連想させこのような花言葉がつけられたと言われています。
藤の花言葉の由来
「下がるほど人の見上ぐる藤の花」という句があるように、藤棚から一斉に垂れ下がる藤の花は誠に圧巻で、人を魅了します。
垂れ下がる藤の花穂を、謙虚に頭を下げる姿勢と見立て「優しさ」「歓迎」という花言葉がつけられました。
また、藤の花は、甘く爽やかで優しい香りがします。人によっては、香りが強いと捉える人もいるかもしれません。
そういった香りの印象もあり、藤の花の下にいると甘く優しい香りに包まれることから、「恋に酔う」という花言葉がつけられました。
藤の花の色別の花言葉
藤の花には、紫やピンク、白があります。以下で、藤の花の色別の花言葉を紹介します。
紫・ピンク
紫やピンク色の藤の花言葉は「君の愛に酔う」です。
白
白色の藤の花言葉は「懐かしい思い出」「可憐」「あなたを歓迎します」です。
しだれ藤の花言葉
「しだれ」というのは、枝や葉が垂れ下がることです。
しだれ藤に特化した花言葉はありませんので、藤全般の花言葉で共通すると考えてよいでしょう。
藤の英語の花言葉
藤の英語名は「Wisteria(ウィステリア)」といい、英語では「welcome(歓迎)」「steadfast(しっかりした、確固たる、忠実な)」という花言葉がつけられています。
藤の花について
藤はマメ科フジ属の日本原産種で、その風情ある美しい花が古来から日本人に愛されてきました。
万葉集にも藤を詠んだ歌が多くあり、「源氏物語」や「枕草子」でも藤のツルが松の木に絡みつく様子を恋愛に例えるなど、多くの古典作品にも取り上げられています。
花房が垂れ下がる様子は、頭を下げて謙虚なほど人に仰がれるというイメージにもとらえられ、いにしえより藤の花は尊ばれてきました。
見頃は5月で、日本の各所で優美な花姿を見ることができます。
特徴
藤の花の特徴は、蝶のような形をした小さな花が連なり、房状になって下に垂れ下がることです。
花房の長さは30〜50cm前後のものが多いですが、中には2mにもなる品種もあります。
種類
藤には、以下のような種類があります。ノダフジとヤマフジは見分けがつきにくいですが、ツルの巻きつく方向が違います。
- ノダフジ
- ヤマフジ
- シロバナフジ
- ノダナガフジ
- アケボノフジ
- アカバナフジ
- ヤエフジ
昔、野田と呼ばれる地域に名所があったことが由来でノダフジという名前になりました。本州に多く自生しており、ツルは右巻きです。
西日本に多く自生しており、ツルは左巻きです。
純白の花が咲き、ツルは右巻きです。
花房が長いことが特徴で、長いものは1mを超えることがあります。
花弁の先が鴇色(ときいろ)の花を咲かせて淡い紅色に見えるのでクチベニフジとも呼ばれます。
つぼみの時は紅色ですが、花が開くと淡い紅色に変化し、モモイロフジとも呼ばれます。
藤の中では珍しい八重咲きのタイプです。少し丸まったような濃い紫色の花びらが特徴的です。