札幌市の「市の木」にも選定されている寒冷な地を好むライラックは、日本では北海道の花というイメージが強いかもしれません。
ヨーロッパでも、ライラックは街路樹や庭木として大変愛されており、春の訪れを祝い夏の豊穣(ほうじょう)を祈る「5月祭り」の花として親しまれています。
多くの人に愛されるライラックについて、花言葉や特徴、種類などについてまとめました。
ライラックの花言葉
ライラックの花言葉は、「思い出」「友情」「謙虚」です。
ライラックの花言葉は怖い?
ライラックには怖い意味の花言葉はありませんが、イギリスなどヨーロッパの一部の地域ではライラックにまつわるネガティブな言い伝えがあるそうです。
それは、「紫のライラックは心変わりした時に贈る風習があった」とか、「紫色のライラックは不吉なので家の中に持ち込んではいけない」「ライラックを身につけると結婚できない」といったものなのですが、一部の地域の言い伝えに過ぎません。
そういった言い伝えが、ライラックの花言葉に怖い意味のものがあるとイメージされた一因のようです。
日本ではライラックの花にネガティブなイメージはありませんが、ヨーロッパでは紫を涙の色とイメージすることもあるので、念のため紫色の花のライラックは贈り物に選ばないないほうが無難かもしれません。
ライラックの花言葉の由来
ライラックの花言葉には若々しく、初々しいものが多いです。以下で、その解説をします。
若さ
白色の花のライラックの花言葉の一つに「若さ」があります。
これは、白という他の色に染まっていない色に、純粋なイメージを投影したことが由来となっています。
友情
芳香を放ちながら、春に生命感いっぱいに咲く若々しいライラックの花は、青春時代の思い出のようにみずみずしく感じることから、日本ではライラックの花言葉は「友情」になりました。
ライラックの花の色別の花言葉
ライラックの花の色には、ピンク、紫、白、青などがあります。以下で、花の色別のライラックの花言葉について紹介します。
ピンク
ピンク色のライラックの花言葉は「思い出」です。
薄いピンクのものから濃淡になったピンクのものなど、ピンク色のライラックの花は、とても華やかな印象です。
ピンクは優しさや幸せをイメージさせる色なので、ともに楽しい思い出を過ごした人への贈りものとしても良いかもしれません。
紫
紫色のライラックの花言葉は「初恋」「恋の芽生え」です。
これは、ライラックの葉の形がハート型をしていることが由来とされています。
白
白いライラックはフランスで青春の象徴とされていることから、花言葉は「若さ」「青春の喜び」「無邪気」となっています。
青
青色の花のライラックには、特に花言葉はありません。
ライラック全般の「思い出」「友情」「謙虚」といった花言葉と考えて良いでしょう。
ライラックはいつの誕生花?
ライラックは、6月12日の誕生花です。
ライラックの花について
寒冷な地を好むライラックは、日本では札幌などの北海道の花というイメージが強いですが、ライラックは緯度の高いヨーロッパで特に親しまれている花です。
以下で、ライラックの特徴や種類について紹介します。
特徴
ライラックは春の訪れとともに開花するモクセイ科の小高木で、甘く優しい香りを持つ花を咲かせるのが特徴です。
花は一つ一つは小さいですが、それが円錐形に集まって房咲きする姿がとても華やかで見応えがあります。
大変良い香りがするので香水の原料としても利用され、広く愛されています。
種類
ライラックは、一重や八重の咲きかたをするものなど、30種ほどあると言われています。以下で、いくつかの品種を紹介します。
ヒメライラック(ペンダ)
春に開花したあと、もう一度夏に開花して秋まで繰り返し咲き続ける、二季咲きが特徴のライラックです。
ティンカーベル
ヒメライラックの仲間で、ピンク色の花がとてもかわいらしく、コンパクトなので鉢植えとしても人気です。
センセーション
濃い紫色の存在感のある花と、高木になることが特徴です。
エスタースターレ
つぼみの時は薄紫で、花はピンク色に咲くという色の変化が楽しめる品種です。高木になるので、鉢植えよりも地植えが適しています。
リラはフランス語
「ライラック」は、フランス語では「リラ(lilas)」と呼ばれます。サンスクリット語で暗青色を意味する「ニラ(nila)」が語源とされています。
北海道では、ライラックの咲く時期、春のまだ肌寒い日のことを「リラ冷え」と言ったりするそうですが、とても雰囲気のあるネーミングですね。
ちなみに俳句の世界でも、「リラ」や「リラの花」は、春の季語となっています。